上映時間2時間47分。実際の生活者から拾い上げたエピソードに基づくリアルな現実と、水面下でうずまいているであろう想念がなまなましく混在する。「日本人と移民だけでなく、日本人同士ですらコミュニケーションがなく、他者への嫉妬とか漠然とした恐怖心だとか、そういうつかみどころのないものがふくれあがって敵意のようなものになっていく。そんな現実を、ギリギリうそにならないように描いていくことが大きなテーマでした」 登場人物はみな、他者と混じり合わず、己の置かれた環境の中で煮詰まっていく。だが、実はそれぞれ、「サウダーヂ」というポルトガル語に集約される思いを抱いている。「単純に郷愁と訳されたりしますが、追い求めても二度と戻らないものというような意味もある、結構複雑な言葉。故国から遠く離れた外国人はもちろん、日本人たちの現状もこの言葉にあてはまっていくものではないかと。あらゆることがタイトルに向かって自然に集まっていくような感覚がありました」